2008年07月24日 (木) * 編集
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by TCm (11/15)
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2005年09月02日 (金) * 編集
それにしても、アメリカのハリケーン「カトリーナ」の被害ってのは凄まじいものですね。自然災害だけならまだしも、無法地帯となったニューオーリンズでの略奪や銃撃など、目を疑うようなシーンが次々と報道されています。あろうことか、警官たちまでスーパーの商品をかごにかき集めて持ち去るシーンまで。 世界一の経済大国にして民主主義の番人を自任していた国がまさかあれほどの醜態を晒すとは…とあちこちで驚きの声が聞かれますが、よく考えてみれば当然の報いだったのかもしれません。はるばるイラクくんだりまで膨大な兵士を派遣して多くの人を殺すこと自体、国内に鬱積する貧困問題や人種問題から目を逸らすための手段に過ぎなかったともいえるでしょう。 大統領を始めとする幹部チームの危機管理能力が問われる場面かと思いますが、こういう状態を放置してきたのは他ならぬ米国民自身だったという見方もできます。これはこれで相当に根の深い問題です。 そんなわけで、大好きな Katrina & The Waves も今はアメリカのラジオ局ではもっともかけちゃいけないアーティスト入りしてるんだろうな。81年にイギリスのケンブリッジで結成され、80年代前半を中心に全英・全米チャートを賑わせた紅一点の元気なロケンローバンド。 「Katrina と大波たち」なんていうヤバすぎる響きのバンド名で、最大のヒット曲があまりにも能天気で元気いっぱいの "Walking On Sunshine" ときたもんです。大嵐の被害を受けたジャズの街にこれほど相応しくない組み合わせもないんじゃないかと。 まあ、同様に Scorpions の "Rock You Like A Hurricane" とか Led Zeppelin の "When The Levee Breaks" なんてあたりもきっと放送自粛されてるんだろうな。ああ哀しみの米ロック放送局。 2005年06月28日 (火) * 編集
夏のフェスティバル出演に続き、単独公演も決定した Duran Duran の昨年のオリジナル新作 "ASTRONAUT" をようやく聴くことができました。2003年の来日公演でもここから数曲プレイしていたので、それほど新鮮な印象は受けません。そもそも音楽的に斬新なことをやる時代は過ぎていると思う。本作でも "(Reach Up For The) Sunrise" や "What Happens Tomorrow" といった往年の Duran 節を感じさせるポップな楽曲の方が耳に馴染みます。サウンドの主導権は Simon Le Bon と Nick Rhodes が握っていると思いますが、バックでは Andy Taylor のギターがかなり派手に暴れていて思わずニヤリ。 それなりにモダンなサウンドに挑戦した Duran Duran を微笑ましく迎えることもできるんじゃないかな。クレジットに Nile Rodgers や Dallas Austin の名前が並ぶあたりに彼らの R&B 趣味が垣間見えるし、メインプロデューサーとミックスに Don Gilmore(Linkin Park、Pearl Jam 等)を担ぎ出したのも悪くないですね。個人的にはスカスカのファンク "Bedroom Eyes" で Simon が聴かせるジャジーな節回しが気に入っています。 全米チャートでは当初想定されたほどの成績を収められず、その後も Roger のケガや Andy の一時ツアー離脱などの不運が続いているわけですが、オリジナル5でのライヴの楽しさ、素晴らしさは既に証明済みですから、この夏の日本公演もきっと盛り上がることでしょう。ぜひ末永く活動を続けてほしいものです。 2005年06月27日 (月) * 編集
最新の全米アルバムチャートでは Coldplay が Foo Fighters の挑戦を退けて1位を守っただとか、Backstreet Boys が辛うじてトップ3に食い込んだもののセールスは29万枚止まりだとか、そんなことがニュースになっているようですが、自分に言わせればちょっとピント外れ。むしろ驚くべきは10週目にして5位から4位に赤丸付きでアップし、16万3千枚もの売り上げを叩き出している Mariah Carey の "THE EMANCIPATION OF MIMI" の持続力でしょう。彼女にとって記念すべき復活作になりました。数週間前にアルバムとシングル "We Belong Together" が同時に全米1位を制覇したのは象徴的だったと言えるでしょう。実際、自分も購入してからずーっと飽きることなくプレイし続けているアルバムです。これまでも全作品買ってはいるのですが、シングル曲以外にはなかなかリピートできるクオリティのものがなかった。ここまで粒の揃った楽曲が集まったのは本当に久しぶりだと思います。 アップもののプロダクションは主に Jermaine Dupri が手がけています。基本的にそれほど好みのクリエイターではないし、Mariah との相性もそれほど良いとは思えません。自ら Nelly の物真似を披露する "Get Your Number" なんてかなり危ない。でも今回は引き際を心得ています。しつこくなりすぎる一歩手前で身を引くスタイルがもっとも成功しているのは、バラードの "We Belong Together" でしょう。マライアが絶唱し始めると同時にフェードアウトするなんて、かつては考えられなかったから。 そのバラードとダンサーのバランスも絶妙です。固め撃つのではなく、うまく起伏を付けながら交互に配置。結果として "Mine Again" や "Circles"、"I Wish You Knew" といった歌い上げ系(といってもあっさり目)がドラマティックに決まりまくる。圧巻はラストを飾る "Fly Like A Bird" か。タイトルや歌詞も含め、シングルカット前からアルバムを代表するナンバーとして支持を集めているゴスペル系ミディアムです。 その "Fly Like A Bird" をはじめ数曲をプロデュースした James Wright の音作りが個人的にはツボにハマりました。彼は Jam & Lewis に見出されたミネアポリス人脈のライター/プロデューサーですが、ここでは生ドラム・生ベース・生ホーンセクション・エレピといった楽器にこだわって、アコースティックなサウンドで Mariah のヴォーカルを引き立てています。生音をバックに彼女に歌わせるべきだと力説してきた自分の主張が認められたみたいでちょっと嬉しい。 個人的なベストトラックは Neptunes 制作、Snoop Dogg 客演の "Say Somethin'" かな。ハンドクラップとチープでラウドなスネアドラムが異様に心地良い、最近の Nep らしい「引き算の美学」がゴージャスに展開されています。ぜひ次のシングルになってほしい! これまでになく肌の色を黒っぽく撮影したアートワークはヒップホップも含むアーバン市場を強烈に意識したもので、仮想敵が Beyonce なのはほぼ明らかです。もちろん真正面から戦うべきではないし、実際仕上がったアルバムも微妙に論点をずらしてある(それは正しい戦略だと思う)わけですが、三十路も半ばを迎えてまだまだこの業界の頂点でキャットウォークできる彼女のキャラクターは大したものだと思う。ヴォーカルに揺らぎない自信が漲っているのが痛いほど感じられる、僕にとって今年上半期のベスト・アルバム。 2005年06月09日 (木) * 編集
『ワラント債』なんてコトバを新聞で見かけてもちっともピンとこない。そう、僕らにとってそれはいつだって『ウォレント債』。ジェイニー・レイン大天才説についてはどこかでも触れましたが、再び力強く断言いたします。彼こそは史上最強のソングライター(のひとり)であると。ただし才能の活用方法に難があったこともまったく否定できないのが痛いところ。 このベスト盤 "THE BEST OF WARRANT" は、彼らが Sony / Columbia からリリースした3枚のアルバムを中心に編集されたもの。1〜6が1st "DIRTY ROTTEN FILTHY STINKING RICH" (1988)から、7〜13が2nd "CHERRY PIE" (及びその関連音源、1990)から、14・15が "DOG EAT DOG" (1992)から、そして16はサントラ "GRADIATOR" からとなっています。 シングルヒット単体で聴くと確かにキャッチーでお馬鹿なパーティロックという印象を受けるかもしれませんが、ベスト盤でまとめて聴くときっと見方が変わります。アップからバラードまで、まさに緩急自在のメロディメイカー。とにかくどの曲も一緒に歌えるフック満載なのです。"Down Boys" に暴れ、"Heaven" に涙し、"Cherry Pie" に叫ぶ。ツボを心得るとはこういうことか!という楽曲がこれでもかこれでもかと襲いかかります。"CHERRY PIE" アルバムのボツ曲に過ぎない "Thin Disguise" ですらこの出来のよさ、あとは推して知るべし。 ラストのおまけ "We Will Rock You" の見事なアレンジぶりにはニヤけるしかありません。後半リズム隊が走り出すあたり、もう完全に乗せられている自分に気付くのです。"Cherry Pie" で一度パクった事実はこの際、忘れてあげよう。"DOG EAT DOG" アルバムについてはあちこちでネタにしてますが、ここに収録された2曲を聴く分には悪くないっすよ。それより、シングルヒットコレクター諸氏にとっては "I Saw Red" がシングルのヴァージョンではなく、アコースティックである点が痛いかもしれませんね。 マスタリングを手がけたのは Debra Parkinson、初めて聞く名前ですがソニーのスタジオエンジニアなのでしょう。可もなく不可もなく、1996年にしては堅実な仕事だと思います。 【収録曲】 1. Down Boys 2. 32 Pennies 3. Heaven 4. D.R.F.S.R. 5. Big Talk 6. Sometimes She Cries 7. Cherry Pie 8. Thin Disguise 9. Uncle Tom's Cabin 10. I Saw Red [Acoustic Version] 11. Bed of Roses 12. Mr. Rainmaker 13. Sure Feels Good to Me 14. Hole in My Wall 15. Machine Gun 16. We Will Rock You 2005年05月27日 (金) * 編集
ここ数ヶ月、Amerie(エイメリー)の "1 Thing" が頭を離れません。シングルチャートで8位まで駆け上り、アルバム "TOUCH" も全米初登場5位と大健闘している彼女、この中毒性の高さは何以来だろう? Beyonce の "Crazy In Love" 以来かな……と思ったら、やっぱり同じプロデューサーでした。Rich Harrison、今最も熱い制作者の1人です。一聴すると Jennifer Lopez の "Get Right" を思わせる上げ上げの超ハイテンションなアップナンバーなのですが(これも Rich Harrison)、よく聴き込んでみると全然違う。J.Lo の音が Maceo Parker のホーンをサンプリングした「吹き物」系なのに対して、Amerie の方はドラムス&パーカッションを大フィーチャーした「叩き物」系なのです。 そりゃラッパの繰り返しはとっつきやすいですよ。でも飽きるのも早い。つまり "Get Right" は聴くほどに耳にうるさくなっていく。一方の "1 Thing" の動的なリズムパターンは耳ではなくて身体の芯に訴えます。重低音全開で鳴らせばゾクゾクするほど気持ちいいし、高いピッチで歯切れのいいヴォーカルを乗せてくる Amerie の存在感も際立つわけです。 それにしても、これほどアップを歌える娘だとは思いませんでした。前作 "ALL I HAVE" は自分も気に入って聴いていましたが、むしろミディアムでのしっとりとした歌い込みが印象に残る佳作だったのです。その点を捉えて今回のチャレンジを批判する声もあるようですが、個人的には同意できない。彼女のように人種的なハンディを背負っている子は、飛び道具を使ってまずリスナーの耳を引きつける必要があるのですから。そうしてアルバムを聴いてもらうのが戦略。アルバムにはアップばかりでなく、彼女独特の中音域を堪能できるミディアムも揃っています。 人種的な話をすると、エキゾチックなルックスからも想像できるように、彼女にはアジアの血が流れています(母親が韓国人、父親はアフリカン・アメリカン)。アジア系のアーティストは北米市場では非常な苦戦を強いられます。宇多田ヒカルなんかじゃ全然歯が立たない。アーバン市場を切り崩して "1 Thing" はR&Bチャート1位になりましたが、全米でこれだけ健闘しているのを見るとアジア人として応援したくなっちゃいます。 アジアン・ビューティの血を引く豊かな黒髪の彼女、女性R&Bヴォーカル好きにとってはしばらく注目の的になりそう。ついでにプロモビデオでイヤというほど強調される、アスリートの如く鍛え上げられた逞しく美しい太腿に萌える向きにとっても。 2005年05月23日 (月) * 編集
昨日の映画レビュー『キスへのプレリュード』で言及しちゃったせいで、久々に聴きたくなってしまった Divinyls。オーストラリア出身のロックグループで、全米チャートではこの "I Touch Myself" が唯一のトップ40ヒット(最高位4位/91年)ですが、本国ではこの "DIVINYLS" アルバム以外にも数枚ヒット作があります。実は「ジャケ買い美術館」で取り上げようかと悩んでいたこの写真。紅一点のヴォーカル、クリスティーナ・アンフレット嬢のこの悩殺ポーズはどうですか。豊満な裸身を網々ドレスに包み、申し訳程度に胸と股間を隠す、いやむしろそれぞれを愛撫せんとするこの手つき。モノクロームの写真にパープル+ピンクのポップな色使いが映える、なかなか印象的なフォトだと言えます。 曲の方はもちろんお色気モード全開。このキャッチーなコーラスへの流れはどこかで聴いたような…と思ったアナタは大正解、産業ソングライターチームの Tom Kelly & Billy Steinberg が絡んでおります。彼らの作品でこれに近いお色気路線を探すとすれば Bangles の「恋の手ほどき in your room」あたりかな? このアルバムを出す時点では既にジャケットの2人だけになっていた Divinyls、バンドというより「エロい Roxette」といった雰囲気を醸し出しております。この曲のインパクトが強すぎて、アルバムを聴いてもイマイチ物足りなかったりするところがオージーっぽくて◎。チャート史上に残る「自慰賛歌」として永遠に聴き継がれるであろう迷曲なのです。 ♪I don't want anybody else When I think about you I touch myself... 2005年05月20日 (金) * 編集
相変わらずメタル・ゴッド Judas Priest 来日公演の余韻が続いていて、彼らのベスト盤 "METAL WORKS '73-'93" を聴いています。彼らの場合、時代ごとのサウンドの変遷が割とある方なので、コンピレーションで聴くよりもアルバム単位で聴いた方がよいアーティストだと思います。が、そうは言ってもライヴ直前の予習用にはベスト盤の方が便利だったりするんですよね。この後に1枚もので "THE BEST OF JUDAS PRIEST : LIVING AFTER MIDNIGHT" というベストも出たので持っていますが、ちょっとヴォリューム的に物足りないかな。 もっともこの "METAL WORKS" も「ベスト盤ではない」とブックレットに明記されています。要するにヒット曲集ではなくて、20年間に及ぶ Judas Priest の歴史を記念してバンド自身によって選曲された、個人的フェイバリット集的な意味合いが強いというのです。言われてみれば確かに「どうしてあのアルバムからこの曲が?」という謎のセレクションもあるのですが、1曲ごとにメンバーの選曲コメントや裏話がついており、それを読みながら聴くのも楽しいものです。 ジャケットは過去のアルバムカバーのモチーフやキャラクターを集めてコラージュしたものです。似たような例に Pink Floyd の "ECHOES" や Asia の "THEN & NOW" などがありますが、個人的には結構好き。ブックレット内部には過去のアルバムカバーの写真一覧もあって親切ですね。 一方、曲の並びは時代順になっておらず、かなり意図的に再配置されています。ここは好みが分かれるところかもしれません。個人的にはベスト盤は時代順に並んでいてほしいのですが、しかし Judas の場合このディスクのように "The Hellion" - "Electric Eye" を超えるオープニングは想像しにくいということもあって、ここはやむなしですね。逆にそう割り切れば、全32曲・2時間超のオールタイムベスト選曲によるライヴ用のセットリストと思って聴くこともできます。2枚目のトップが "Screaming For Vengence" なのも納得かな。 「ヘヴィ・メタル」という言葉から想像されるとおりの音であるのは確かですが、Judas Priest がこれだけ王座に君臨し続けてこられたのは何と言っても曲がいいからです。こういうと語弊があるかもしれませんが、個人的には Judas はキャッチーだと思う。単に重いだけじゃなくて、どの曲にも覚えやすいリフとしっかりしたメロディが核にある。 ヘヴィなアレンジとハイトーンのヴォーカルを備えたバンドなんて世の中に掃いて捨てるほどいるのです。そうじゃなくて、20年間に渡って、常に一定以上のレベルの楽曲を書き続けることこそが難しい。Judas Priest はその期待に応え続けたわけで、だからこそ「メタル・ゴッド」として絶対の支持を受けたのだと思うのです。ついでに言えば「期待に応える」という意味のイディオムは "deliver the goods" ですが、1978年の "KILLING MACHINE" に収められた名曲 "Delivering The Goods" もこのベスト盤には収録されていますね。 リマスターに関するクレジットは、By Judas Priest & Tom Allom となっていますが、すぐ下に Engineered by Tim Burrell とありますから、彼が行った仕事をバンドと Tom Allom が最終的にOKしたということなのでしょう。新旧の楽曲が隣り合わせになっている部分ではどうしても音の粒が揃っていませんが、これはリマスターでは補えない部分なのでしょう。1993年のレベルではここまでかなとも思いますが、バックカタログが2001年頃にリマスターされたので、その音源で再編集してくれるともっと嬉しいかも。 それにしても「メタル・ワークス」とはいいタイトルですね〜。 【収録曲】 ディスク: 1 1.Hellion 2.Electric Eye 3.Victim of Changes 4.Painkiller 5.Eat Me Alive 6.Devil's Child 7.Dissident Aggressor 8.Delivering the Goods 9.Exciter 10.Breaking the Law 11.Hell Bent for Leather 12.Blood Red Skies 13.Metal Gods 14.Before the Dawn 15.Turbo Lover 16.Ram It Down 17.Metal Meltdown ディスク: 2 1.Screaming for Vengeance 2.You've Got Another Thing Comin' 3.Beyond the Realms of Death 4.Solar Angels 5.Bloodstone 6.Desert Plains 7.Wild Nights, Hot & Crazy Days 8.Heading Out to the Highway 9.Living After Midnight 10.Touch of Evil 11.Rage 12.Night Comes Down 13.Sinner 14.Freewheel Burning 15.Night Crawler 2005年05月15日 (日) * 編集
マイブームの80年代洋楽再発盤購入ですが、今日は Huey Lewis & The News が1983年10月にリリースした全米#1アルバム、"SPORTS" をご紹介しましょう。#1といって上り詰めたのは翌年のこと、そして合計158週間(3年間!)に渡ってチャートインし続けた80年代屈指の大ロングセラーです。かじりつくように「ベストヒットUSA」を観ていたあの頃、1年以上に渡って次から次へとシングルをチャートに送り込んでいた彼らのレコードを買おうと思ったのは自然なことでした。お小遣いも少ないし、できるだけヒット曲の多いアルバムを買う方がお得だったから。 "Heart And Soul"、"I Want A New Drug"、"The Heart of Rock & Roll" の3曲がヒットしてから購入しましたが、初めて聴いた日に一番気に入った "If This Is It"(『いつも夢みて』)がその後シングルカットされた時には嬉しかったなあ。彼女に浮気されて宙ぶらりんの状態にある男の嘆き節っぽい曲ですが、いかにも西海岸らしい爽やかな諦め感が漂っていて、今でも大好きな曲です。 なるべくしてなったモンスターアルバム、と言うべきでしょう。心臓の鼓動音がイントロの "The Heart of Rock & Roll" で幕を開け、ゴキゲンなカントリー "Honky Tonk Blues" でどこまでも陽気に幕を下ろすA面4曲+B面5曲の並べ方も完璧だし、オリジナル6曲+外部ライター3曲の組み合わせも絶妙。外部ライターに Mike Chapman と Nicky Chinn がいて、彼らの作品 "Heart & Soul" が Exile のカヴァー曲だった、なんてトリビアは当時全然知らなかったけれど。 80年代にサンフランシスコ/ベイ・エリアを盛り上げたグループのひとつが Huey Lewis & The News ですが、Journey は別格としても、同時期に活躍した Tommy Tutone も Greg Kihn Band も勢いは長続きしませんでした。Huey たちは例外的に90年代前半までリリースを続けますが、大ヒットからは遠ざかることになります。多分今でもどこか小さな会場でライヴ活動は続けているんだろうし、間違いなく最高に楽しいライヴなんだろうけど、もう日本で観るのは難しいのかなあ… …と感慨に耽ってしまうのは、この1999年再発盤(Expanded Edition)に収められた3曲の未発表ライヴ音源があるから。"If This Is It" と "Heart and Soul" は85年2月21日のサンフランシスコでの録音、"I Want A New Drug" は84年1月15日のロサンゼルスでの録音ですが、お客さんの盛り上がりたるやすごいもので、まさにベイ・エリアを代表するバンドにのし上がった彼らのパワーを感じさせてくれます。ボーナストラックの残り2曲はアルバム録音時のセッションテイクで、Huey の歌入れボツテイクといったところなのでしょう。こちらは本当にコアなファン向けの音源です。 ところで、少しだけ難点を挙げておくと、この Expanded Edition シリーズは「20-Bit Digitally Remastered from original master tapes」が売りである割には、リマスタリング・エンジニアのクレジットがありません。そのせいかどうか、リマスターの音質も、例えば先日の Inxs "KICK" などと比べるとかなり聴き劣りします(もちろん昔のCDよりは良いのですが…)。また、ブックレットのクレジット欄に表組みのミスらしき部分があって、段ずれのため非常に読みにくくなっているなど、Capitol の詰めの甘さが目につきます。 多少の不満はありますが、素材がいいだけに救われています。もちろんあの頃の Huey Lewis & The News が好きだった人なら大喜びできること請け合いの1枚、80年代洋楽好きには欠かせない名盤を末永く楽しむことにします。それにしても、全盛期の彼らのライヴ、この目で観たかったなあ…。 …と思ったら、Huey Lewis & The News がちょうど結成25周年記念の全米ツアーを行っているようです。詳細はこちら(英語サイト)。もうすぐライヴCD及びDVDも発売されるとのことで、久々にあの明るくて楽しいベイ・エリアの風に吹かれることができそう! ぜひ来日してほしいものですね。 【収録曲】 1.Heart of Rock & Roll 2.Heart and Soul 3.Bad Is Bad 4.I Want a New Drug 5.Walking on a Thin Line 6.Finally Found a Home 7.If This Is It 8.You Crack Me Up 9.Honky Tonk Blues 10.Heart of Rock & Roll [Session Take] 11.Walking on a Thin Line [Session Take] 12.If This Is It [Live] 13.Heart and Soul [Live] 14.I Want a New Drug [Live] 2005年05月07日 (土) * 編集
先日ご紹介した "THE POWER STATION" に引き続いて、80年代洋楽リマスター盤を買ってきました。1987年リリースで、当時全米だけで800万枚を超える大ベストセラーになった Inxs の "KICK" です。こちらはバンド自身の監修の下、2002年に Rhino が絡んで再発されたディスクで、リマスタリングは Don Bartley と Andrew Farris、Mark Opitz の3人がシドニーの 301 Studios で行っています。本当によく聴いたアルバムなので、今さら何かコメントするのも野暮ったい気がします。前作 "LISTEN LIKE THIEVES" から "What You Need" という大ヒットが出て勢いに乗っていたバンドが、いよいよ世界制覇に乗り出すぞという気迫が漲っていて、どこを切っても凄まじいエネルギーを放出しています。こんなレコードは一生の間にそう何度も作れるものじゃないし、そう何度も出会えるものじゃない。 オープニングの "Guns In The Sky" にしてからがもうある種のクライマックス。前作まではどこか頼りなげなところもあったマイケル・ハッチェンスですが、突然のこの野太いヴォーカルは一体どうしたことか。バッサバッサと大木をなぎ倒すようなギターリフの荒々しさが、過去の Inxs との決定的な違いを高らかに宣言しています。全体としてはやや黒っぽい、ファンキーなアルバムと言えるかな。Bob Clearmountain にミックスを依頼したのもいい人選だったと思います。 再発にあたり、制作の舞台裏について当時のプロデューサーである Chris Thomas にインタビューした内容がライナーノーツにまとめられており、興味深く読むことができます。曰く、86年にパリでのライヴの後にバンドからもらったデモに "Mystify" などが含まれていたが、スタジオ入りしてみると全然曲が足りなかったこと。数ヶ月作曲に専念し、香港でデモを録り直した際に "Need You Tonight" と "Kick" が仕上がり、一気にアルバムの方向性が見えてきたことなど。 ブルージィなバラッド、"Never Tear Us Apart" は元々ピアノをフィーチャーした曲として書かれていたそうですが、Chris Thomas のアイディアでピアノをストリングスに置き換えて再アレンジされたそうです。その結果オリジナルとは相当異なるヴァージョンになりましたが、もともと楽曲が持っていた力が強かったからこそ変化にも耐えたのさ、とのこと。一方で "Mediate" などは Andrew Farris のデモをほぼそのまま使ったりもしています。 様々な名作を手がけてきた彼が、「まあ振り返ってみるに "KICK" のレコーディングは自分が関わった仕事の中で一番楽しいものだったね… あれが頂点だった。シドニーのヴァイブはすごかったよ」と回想するのですから、このアルバムに封じ込められたエネルギーが20年経った今でも色褪せないのにも納得です。 ボーナストラック4曲はデモヴァージョン主体なので、コアなファンでないと楽しめないかもしれませんが、2002年リマスターの音圧というか、重低音を含めた音の粒立ちの鮮やかさは以前のCDとは比較になりません。Andrew Farris 自身が作業に加わっているだけあって、ツボをよく心得たサウンドに仕上がっていると思います。 もうマイケルの声による新作を聴くことはできませんが、このアルバムの輝きが失われることは永遠にありません… 【収録曲】 1.Guns in the Sky 2.New Sensation 3.Devil Inside 4.Need You Tonight 5.Mediate 6.Loved One 7.Wild Life 8.Never Tear Us Apart 9.Mystify 10.Kick 11.Calling All Nations 12.Tiny Daggers 13.Move On [Guitar Version] 14.Jesus Was a Man 15.Mystify [Chicago Demo] 16.Trap [Demo Version] 2005年04月30日 (土) * 編集
本当に好きなものには理屈なんか要らないと思うし、無理に理屈をつけようとするとぎこちなくなってしまったりするもの。だから僕がこのアルバムについて語っている時には「ああ、今無理して説明してるんだなぁ」くらいに思ってくださいね。それくらい理屈抜きに大好きな1985年のアルバム "THE POWER STATION"、待望のリマスター盤が発売されたとくれば買わないわけにはいかないでしょう。ちなみにイギリス盤とアメリカ盤が存在しますが収録曲は同じなので、好みに合わせて購入なさればよろしいかと。自分のものはUK盤でDVDはリージョン0、NTSC方式です(PAL方式もある模様)。 いわずと知れた Duran Duran meets Robert Palmer & CHIC の奇跡的コラボレーションですが、リマスターによってサウンドがより生々しくなるとともに、7曲ものボーナストラックを収録した「完全版」としての再リリース。リミックスもいいけど "Some Like It Hot" と "Get It On (Bang A Gong)" の7インチバージョンがずっと欲しかったので、個人的にはかなり嬉しい。ブックレット内に両シングルのジャケットが掲載されているのも◎。 DVD映像はかなり貴重です。スタジオでの録音途中の映像(パーマーが書きたての歌詞を口ずさんでたり)や、ビデオ撮影の様子も楽しい。ビデオクリップ3曲も手に入りますし("Communication" とか初めて見たかも)、さらにこのメンバーとして確か唯一のライヴパフォーマンス映像が収められています。米国のサタデイ・ナイト・ライブにTV出演した際のスタジオライヴですが、Duran 組のジョン&アンディがかなり派手な衣装なのに比べて、ダブルのスーツでビシっと決めた Robert Palmer がカッコよすぎ。 口パクではない生演奏にまず引き込まれますが、よくよく画面を見るにつけ、もう Robert も、ドラマーの Tony Thompson も、プロデューサーの Bernerd Edwards も故人となってしまった事実を思い出して寂しい気持ちにさせられたり…。 とはいえ、リリースから20年を経てなお自分にとっては鮮烈すぎる黒いロックで、聴く度に血湧き肉踊る名盤の定位置をキープし続けるアルバムです。表には「Limited Edition」のステッカーが貼ってあり、DVD付きが限定盤なのか、このリマスター盤自体が限定なのかハッキリしませんが、80s洋楽ファンなら買って損はないでしょう。 GW中聴きまくること必至の1枚。 【収録曲】 Disc-1(CD) 1. Some Like It Hot 2. Murderess 3. Lonely Tonight 4. Communication 5. Get It On (Bang A Gong) 6. Go To Zero 7. Harvest For The World 8. Still In Your Heart -Bonus Tracks- 9. Someday, Somehow, Someone's Gotta Pay 10. The Heat Is On 11. Communication (long remix) 12. Get It On (7" mix) 13. Some Like It Hot And The Heat Is On 14. Communication (7" remix) 15. Some Like It Hot (7" edit) Disc-2(DVD) 1. Introduction 2. Some Like It Hot (video shoot) 3. Some Like It Hot (video) 4. On each other and recording # 1 5. Get It On (video) 6. On each other and recording # 2 7. Communication (video) 8. Summary/End credits 9. Some Like It Hot (Bonus clip from "Saturday Night Live", February 6th 1985) |
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