★WINTER WONDERLAND★
洋楽、映画、読書、国際分散投資、そして心穏やかなシンプルライフ。 (新規の記事追加は http://ww.blog2.fc2.com/ で行っています)
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ルール・ザ・ワールド
2006年09月19日 (火) * 編集
Songs from the Big Chair夏っぽい曲というのがありますね。

ジョー・サトリアーニにはその名も "Summer Song" という曲があるし、プリンセス・プリンセスの「世界で一番熱い夏」はやはり夏に聴きたい。デイヴ・リー・ロスの "California Girls" あたりも夏っぽいし、サザンオールスターズやTUBEなんて夏&海岸の御用達でしょう。個人的には真心ブラザーズの「サマーヌード」を聴くだけであっという間に「はしゃぎすぎてる夏の子供」になれるくらいです。

Tears For Fears の "Everybody Wants To Rule The World" もまた、自分にとっては夏をイメージさせる楽曲。トロピカルなイントロからスムーズに導かれるメロディライン、しかしそこにはややシリアスな歌詞が乗っかっています。決して重苦しくなることなく、あくまで爽やかなTFF宣言として歌い上げられるその歌詞を、自分なりに意訳してみました。

"Everybody Wants To Rule The World" - Tears For Fears

ようこそ「人生」へ
生まれてきたからにはもう後戻りはできないよ
わかっているさ
ぐっすり眠って夢を見てる間であっても
君は常に最善の行動をとろうとあくせくしてる
母なる自然に背を向け 何かを我慢しながら
でも君だけじゃない
誰もがこの世界を支配しようと思ってるんだ

僕は独りで計画を立てては
独りで激しく後悔する
誰か僕の心を決めさせておくれ
自由と喜びを何よりも大切にしたいんだ
永遠に続くものなどありはしないというのに
誰もがこの世界を支配したがってる

光すら差し込まない暗黒の部屋で
壁が崩れ落ちてくる時はしっかりと手をつなぎ合っていよう
奴らが攻めてきても僕がすぐそばにいてあげる

勝ったといっては喜び
負けたといっては悲しみ
誰もが世界を支配したがってる

でも僕には我慢できない
こんなにも先を見通すことができず
物事を自分の頭で判断することのできない社会なんて
誰もが世界を支配したがってる

新聞の見出しなんて全部まやかしさ
そんなもの要らないって言っちまえよ
奴らの言葉を真に受けちゃだめだ
誰もが世界を支配したがってる

すべては自由と喜びのため
永遠に続くものなどありはしないのさ
誰もが世界を支配したがってる


これは原詞を読んで、僕がイメージしたヴィジョンや、心に浮かんだ言葉で作った私訳に過ぎません。勝手に言葉を補ったり端折ったりしています。 Tears For Fears の2人が具体的に何を伝えたかったのかは彼らにしか分かりませんし、このアルバムを購入した全世界の1,000万人近い聴き手の一人ひとりは、それぞれ異なる印象を受けたはずです。リリース当時、反核テーマの曲だと聞いたこともあります。とすれば「光も届かない真っ暗な部屋」は核シェルターを意味しているのでしょう。しかし、それも含めてもっと広い意味での「世界支配」が歌われているようでもあります。

僕などがこの曲から感じるのは、世間体を気にしながらチマチマした人生を生きることの虚しさや、マスコミの報道に踊らされて思考停止に陥り、自ら判断する能力を失った「大衆」への警鐘、といったテーマですが、もちろん他の解釈だってありでしょう。いずれにせよこの歌詞における主人公は Freedom と Pleasure に最大限の価値を置く一方で、Nothing ever lasts forever という徹底した無常観を持ち、何かに縛られて生きるのだけは最悪だと思っている。これは僕自身の価値観に近いものでもあります。

今聴き返しても実に味わい深い、哲学的な楽曲です。同様のトーンに貫かれた収録アルバム "SONGS FROM THE BIG CHAIR" もまた非常に聴き応えがあり、今でも全く古びていません。こうした作品が平気でナショナルチャートの1位に立ち、社会全体がその問題意識を共有した時代があったことを考えると、つくづく1980年代の英米ポピュラー音楽というのは凄いムーヴメントであったと思うし、あの時代を体験できたことは自分にとっての何よりの財産になっていると思うのです。
まだまだ現役! Huey Lewis & The News
2006年08月17日 (木) * 編集
Greatest Hits & VideosBARKS!の記事によれば、

「バンドは相変わらず絶好調さ。これからも故郷のサンフランシスコを離れるつもりはない。それも誇りだよ」

とのこと。なんと頼もしい言葉ではありませんか。

80年代洋楽ファンには忘れられない Huey Lewis & The News はまだまだ現役です。今年発売された新しいベスト盤 "GREATEST HITS & THE VIDEOS" は、ヒューイ本人が「今回のコレクションは決定版といえる」と宣言するとおり、充実の全21曲+ビデオ10曲を収録。

これまでのベスト盤と比較すると、"FORE" からの小ヒットが追加された一方で、"SPORTS" から "Walking On A Thin Line" が削られています(ちょっと残念)。まあ "SPORTS" は名盤すぎるので、全曲通して聴いていただきたいアルバムではあります。

今回、何より嬉しかったのは "Hope You Love Me Like You Say You Do"(『サンフランシスコ・ラブ・ソング』)が収録されたことでした。やや肩の力が抜けた、どこか寂しげでホロリとさせる独特のヒューイ節が冴えるAORだと思います。時代を感じさせる邦題もいい味出してますよね。

ちょっと前に25周年ツアーを敢行した彼らですが、今年はなんと Chicago と組んで全米ツアー中とのこと。80年代洋楽ファンにはまさに涙もののカップリングでしょう。まだまだ現役の彼ら、これからも時々は日本公演などしてほしいものだと思います。
"The Chanuka Song" - Adam Sandler
2006年08月08日 (火) * 編集
What The Hell Happened To Me!Adam Sandler の話になったので洋楽的な観点から補足しておくと、サタデー・ナイト・ライブ(SNL)出演時からの持ちネタのひとつに歌があります。

チャートファンにとって特に重要なのは、90年代半ばにSNLで披露した "The Chanuka Song" が大ウケして、クリスマスシーズンに全米エアプレイチャートの上位にランクされたこと。自身がユダヤであるアダムが、ユダヤ教のお祭り Chanuka(ハヌカ)を自虐的に採り上げつつ、ショウビズ界の大物たちの実名を挙げて「隠れユダヤ系」を暴きまくるコミックソングです。

当時の Billboard 誌は現在と異なり、シングル「盤」がリリースされていないエアプレイのみのヒット曲をチャート掲載しないルールであったため、残念ながら幻のヒットに終わりましたが、もしチャートインしていれば歴史に残るノベルティヒットになったことでしょう。

あまりにもウケてしまったため、その後 Part 2 と Part 3 も作られています。歌詞(対訳つき)や動画へのリンクを含むページはこちら↓

http://abcdane.net/AS/ASmusic/chanukahsong1.htm
http://abcdane.net/AS/ASmusic/chanukahsong2.htm
http://abcdane.net/AS/ASmusic/chanukahsong3.htm

歌の中で実名を出されてしまったのは、

デイヴィッド・リー・ロス、ジェームス・カーン、カーク・ダグラス、ダイナ・ショア、ポール・ニューマン、ゴールディ・ホーン、カーク船長とミスター・スポック(ウィリアム・シャトナーとレナード・ニモイ)、ハリソン・フォード、ウィノナ・ライダー、ヴェルーカ・ソルト、ビースティ・ボーイズ、レニー・クラヴィッツ、ハーヴェイ・カイテル、ジェニファー・ビールス、ダスティン・ホフマン、ヤスミン・ブリース、ボブ・ディラン、デイヴィッド・シュワイマー(フレンズのロス役)、リサ・クドロー(同フィービー役)、デブラ・メッシング(ウィル&グレイスのグレイス役)、メリッサ・ギルバートとマイケル・ランドン(大草原の小さな家)、ジェリー・ルイス、ベン・スティラー、ジャック・ブラック、ロブ・シュナイダー、フーディーニ、グウィネス・パルトロウ、ジェニファー・コネリー、ルー・リード、ペリー・ファレル、ベック、ポーラ・アブドゥル、ジョーイ・ラモーン、ナタリー・ポートマン

などなど。

アメリカのショウビジネス界のかなりの部分がユダヤ系によって占められているのはよく知られていることですし、上記は氷山の一角に過ぎません。

宗教ネタ、民族ネタをこれだけ正面から歌い飛ばした曲というのも珍しいわけですが、アダム本人がユダヤの出自に誇りを持っているからこそ、のヒットなのでしょう。


【Adam Sandler のCD @ Amazon.co.jp
What The Hell Happened To Me!
They're All Gonna Laugh at You
Shhh...Don't Tell
What's Your Name
"Ain't No Other Man" - Christina Aguilera
2006年08月03日 (木) * 編集
Ain't No Other ManBack to Basics最近MTVでヘヴィローテーションになっているのが Christina Aguilera の新曲 "Ain't No Other Man"。これがいい。猛烈にいい。DJ Premier、ちょっと本気出しちゃったかな?と思わせるヤバいトラック。そしてもちろん彼女の「声」にぶっ飛ぶ。

ビッグバンド型オールド・ジャズ/ソウル(とはいえ敢えてチープな打ち込み風)サウンドの上で、クリスティーナの迫力あるヴォーカルが冴え渡ります。映画 "CHICAGO" を思わせるショーガール風設定のプロモーションビデオもばっちりハマり、彼女の着せ替えもたっぷり楽しめるという趣向。タイプは違いますが、ちょっと Gwen Stefani の "Hollaback Girl" 的かな。

それにしても、クリスティーナ・アギレラのこの漲る自信は何なんだ。まさしく圧倒的なヴォイス・コントロール、発声した瞬間に場の空気を変えてしまうマジック。2枚組全23曲という話の新作 "BACK TO BASICS" は、子育てに勤しむブリトニー・スピアーズや、離婚ゴシップに揺れたジェシカ・シンプソンといった同世代のアイドルたちを遠く引き離すアルバムになってしまいそうです。

そもそも彼女たちとはモノが全然違うわけですが、いよいよ別次元に到達しちゃったんだなあと思わせる何かが凝縮されたこのシングル、今年下半期イチオシです。
"FOOTLOOSE" - Soundtrack
2006年06月30日 (金) * 編集
フットルース『フットルース』は、サウンドトラックというジャンルに留まらず、洋楽シーン全体にとってもエポックメイキングな作品でした。

全米アルバムチャート1位10週のマルチミリオンセラーになり、次から次にヒットシングルが飛び出して、順番は逆ですが、結果として1984年のポピュラー音楽シーンの縮図として楽しむことができます。オリジナル盤は9曲の収録でしたが、現在発売されている1998年の「15th Anniversary」盤にはボーナストラック4曲が追加収録されています。("Bang Your Head (Metal Health)" - Quiet Riot、"Hurt So Good" - John Mellencamp、"Waiting For A Girl Like You" - Foreigner、"Dancing In The Sheets (Extended 12" Remix)" - Shalamar)

いずれも映画中ではクラブなどで流れる楽曲として効果的に使われていたもので、サウンドトラックとしてはこちらの方が正しいあり方なのでしょう。しかし、このサントラがもたらした衝撃はあくまでも9曲目までの「この映画のために書かれたトップアーティストの新曲で編集したオムニバスアルバム」という点にあります。そこが見えにくくなってしまうのは残念ですが、Chris Athens による丁寧なリマスター作業も含め、復刻盤全体としては悪い仕事ではないと思います。

悪い仕事でないどころか、今聴き返しても本当によくできたサントラです。

久しくトップ10ヒットから遠ざかっていたケニー・ロギンスに初の全米#1 "Footloose" をもたらしただけではありません。アーティスト名をざっと眺めてすぐに気がつくのは、ハードロック/ダンス/ブラックコンテンポラリー/AOR/バラードといった細かいジャンル分けを超えた雑多な収録になっていること。これが80年代前半の全米の音楽シーンでした。

あの頃僕らはジャンルなど気にせず、ヒットチャートを賑わす幅広いアーティストに接することができた。ラジオからも、概ねこういう形で音楽が流れていたといっていいでしょう。つまりボニー・タイラーが歌うジム・スタインマン楽曲の後にシャラマーの粘っこいダンス曲が続いても、何ら違和感がなかったということ。それが当時の「洋楽」でした。

デニース・ウィリアムスの小鳥のさえずりのような声を素材にジョージ・デュークが腕を振るった "Let's Hear It For The Boy" は、ブラック/ホワイトのマーケットを超えた特大ポップ・ヒットですし、ラヴァーボーイのマイク・レノとハートのアン・ウィルソンにデュエットさせた大げさな "Almost Paradise" はエリック・カルメン作のいかにも彼らしいバラードです。作者トム・スノーのエレピ(ローズ)が大きくフィーチャーされたカーラ・ボノフの "Somebody's Eyes" も、地味ながら忘れ難い佳曲で、マイケル・ランドウの短いギターソロが耳を引きます。

また米国ではシングルヒットこそしませんでしたが、豪州産のムーヴィング・ピクチャーズ "Never" に触れないわけにはいきません。シンセサイザーによるドラマティックなイントロを突き破って飛び出すサックスのブロウ、一度聴けば頭にこびりついて離れないコーラス。彼らの全米デビューが "What About Me" (US#29/83, US#46(Re)/89)でなくこの曲だったら、と想像せずにいられません。

…という80s的ごった煮感覚を味わえるだけでも十分に歴史的な価値のあるアルバムですが、このヒットに味をしめたソニーグループがほとんど同じ手法で "TOP GUN" (US#1/86) を大当たりさせ、以後延々と続くオムニバス型サントラのテンプレートを作った点こそ記憶されるべきでしょう。しかしこれほどのバラエティとクオリティを両立させたものは、残念ながら多くありませんでした。今こそ聴き返してみたい1枚。
"One Night In Bangkok" - Murrey Head
2006年06月20日 (火) * 編集
Greatest Hits先週はずっとタイのバンコクに出張していました。かなり久しぶりの再訪でしたが、相変わらずの渋滞で、普段だと車で20分もかからないようなアポイント先への移動が1時間もかかり、冷や汗ものでした。もともと渋滞がちな街ですが、今回は特にプミポン国王の即位60周年記念式典と時期が重なったのが影響したようです。

世界各国から皇族たちが式典に参加したため、VIP車両が通る高速道路や主要幹線に交通規制が敷かれたのでした。日本からも天皇・皇后両陛下が出席されましたが、向こうでは新聞やTVで毎日のように大きく報道されており、日本の皇室が広く受け入れられていることが肌で感じられました。

それにしても、国を挙げての国王万歳ムードには驚きました。お祝いの気持ちを表す黄色いポロシャツやTシャツが作られたのですが、バンコク市内の8割方の国民が着ているのではないかという印象を受けました。訪問先の職員はもちろん全員着用です。ちょっと日本では考えられない雰囲気を体験できました。

タイ語には他の言語と違って、直接的に否定したり拒絶したりする言葉が少ない、あるいはほとんどないんだそうです。手を合わせて優しく微笑みながら挨拶されると、ついこちらもにっこりしてしまいますが、そのタイ人たちには共通して、王様を愛する心があるんだろうなあと思わされる3泊4日の出張になりました。

BGMはエキゾチックなイントロとほとんどラップのようなヴォーカルが印象的な Murrey Head の大ヒット曲 "One Night In Bangkok"。今思えば相当に時代の先を行く芸風でしたね。"GREATEST HITS" に収録されています。
"Crazy" - Alanis Morissette
2005年11月26日 (土) * 編集
ザ・コレクションアラニス・モリセットの新曲がラジオで流れている。世界市場にデビューしてから10年目の区切りでリリースされたベスト盤 "THE COLLECTION" から、"Crazy"。

Seal の名を世界に知らしめた初期の大ヒット曲のカヴァーだが、比較的オリジナルに忠実なアレンジになっている。恐らく Alanis 自身が Seal のテイクを気に入っていて、リスペクトの意味であまりいじらなかったんじゃないかと思う。

僕は Seal も Alanis も好きなので、こういうつながりができることはとても嬉しい。Seal に関していえば、初期の作品で Wendy & Lisa がスタジオ録音をフルサポートしていたのも嬉しいつながりだった。こうして好きなアーティストたちがどんどん横につながっていくのは、不思議で意外な気もするけれど、ひょっとすると必然的な出来事なのかなという気もする。

僕らの人生や出会いなんてのも、案外そういうことなんじゃないだろうか。
"YYZ" - Rush
2005年09月25日 (日) * 編集
Moving Pictures9月28日から10月14日まで17日間、カナダに出張してきます。

生まれて初めてのカナダになります。好きなアーティストも多いし、季節的には紅葉が綺麗なシーズンでもありますので、楽しみにしています。エドモントン、カルガリー、トロント、オタワと多くの都市を移動しながらの仕事なので、体調を崩さないようにしたいと思います。YAHOO!天気情報とか見ると、都市によっては最低気温が氷点下だったりするんですけど、どういう服を持っていけばいいんだろう…

どの都市も楽しみですが、やっぱりトロント国際空港に降り立つ時には心のBGMとして Rush の "YYZ"(from "MOVING PICTURES")が流れることでしょう。同空港の識別コードのモールス信号をベースにしたスリリングなインストです。

その他 The Tea Party や Bryan Adams、Alanis Morissette などなど、心をよぎるであろう音楽たちのことを考えながら、しばらく更新をお休みします。帰国後も当分多忙な状態が続きますので、更新が滞りがちになりますことをあらかじめお知らせしておきますね。
飲ま飲まイェイ!(゜∀゜)
2005年09月07日 (水) * 編集
DISCO-ZONE ~恋のマイアヒ~(DVD付)し、知らんかった…

この手の流行りモノはヒットするとっくに前からチェック済みで、世間で話題になる頃には「もう飽きたよ…」なんて呟くのが常だったのに、いかに最近のものに疎くなっているかバレバレですね。『恋のマイアヒ』by O-ZONE。えっ、みんな知ってたんですか??

確かにYAHOO!ニュースにも載ってるし、オフィシャルサイトもあるくらいなんだけど、モルドバ共和国出身の3人組が歌うルーマニア語のダンスナンバーが驚異的な知名度を獲得したのは2chから火がついたフラッシュムービーのおかげらしいです。

まだご存じない方はぜひ上のフラッシュをご覧くださいませ。ある意味全編空耳アワーなのですが、結構良くできてますね。♪マイヤヒー、My Yahoo、マイヤホー、マイヤハッハ〜

ていうか「大きい筆入れ」って!(笑)
"THE BEST OF SUGAR RAY" - Sugar Ray
2005年09月06日 (火) * 編集
ザ・ベスト・オブ・シュガー・レイオレンジ・カウンティ出身の彼らももう10年選手ですね。"THE BEST OF SUGAR RAY" は、今年の夏に買ったCDの中で特にかけた回数が多かったもののひとつです。

オリジナルアルバムが5枚になったので、そろそろベスト盤が出てほしいタイミングでした。個人的に好きな曲がいくつか漏れていますが、いわゆるチャートヒットは概ねカバーしていて、初心者にもお勧めできる選曲だと思います。

しかしこうして振り返ってみると、いろいろなことを考えさせられますね。

Sugar Ray には2つ、いや、少なくとも3つの異なる顔があります。全米シングルチャートだけを追いかけていると、そのうちの1つしか見えない可能性があるバンドでもあります。

まず1つは、言うまでもなく97年のブレイクスルーヒット "Fly" に代表される、激キャッチーかつレイド・バックしたポップソングを手がけるバンドとして。この曲の異様なヒットには当時かなり驚いた記憶がありますが、このバンドが凄いのは、その後市場の求めに応じて同傾向の楽曲を次々と投入してきたところでしょう。"Someday"、"Every Morning"、"When It's Over" などなど、どれも実にキャッチーに、夏っぽいイメージで手堅くまとめた「SUGAR RAY 印」の黄金パターンを作り上げたのです。いわゆるアメリカのサザン。アメリカの TUBE。

レモネード・アンド・ブラウニーズですがしかし、後背位アートに排泄物系タイトルを組み合わせた衝撃のデビュー作 "LEMONADE & BROWNIES" からちゃんと聴いてきたファンなら、これが Sugar Ray のごく一面しか体現していないことをよく知っているはずです。Limp Bizkit の DJ Lethal をエグゼクティブ・プロデューサーに迎えた気合いはダテじゃなくて、本来はもっともっとロックした、ゴリゴリなもう1つの顔も持ち合わせているバンドなのですよ。このベスト盤でいうと "Mean Machine" とか "RPM" とか "Rhyme Stealer" あたりのぶっ飛ばし具合がそれ。

もう1つは、これが実は一番嬉しいことなんだけど、世代的にどうしようもなく80s音楽が大好きな連中、ってことなんですよね。例えば本作にも入ってる Joe Jackson のカヴァーとか、残念ながら未収録の "Abracadabra"(Steve Miller Band)とか、いちいちカッコよすぎ。"Under The Sun" の歌詞に出てくる Run DMC とか Men Without Hats といった固有名詞もたまりません。

そう思って眺めると、本作収録の新曲3曲もきちんと上のカテゴリーに分類されちゃうからあら不思議。オープニングの "Shot of Laughter" はいかにも「夏」の哀愁を感じさせるポップソングだし、"Psychedelic Bee" はヘヴィなロックナンバー。泣く子も黙る Cyndi Lauper の "Time After Time" なんて、星の数ほどあるカヴァーの中でも断トツでベストでしょ。このアレンジには参った。素敵すぎ。

聴けば聴くほど「巧い」バンドです。お馬鹿な西海岸バンド、というパブリックイメージの下には、鉄壁といっていいリズムセクションと的確なギタリストと圧倒的なソングライター陣が隠れている。しかし彼らは全くそれを表でひけらかそうとしないのです。ロック、パンク、ヒップホップ、レゲエ etc. を絶妙なポップセンスでミクスチャーした「本物」のバンドだけが鳴らせる音楽。たぶんライヴはめちゃくちゃ楽しいんだろうなあ。観てみてぇ。

ある意味、裏 Faith No More なんじゃないかという気も。

まぎれもない「天才」を抱えながら、紙一重の差でカルト人気的なバンドの道を歩まざるを得なかったFNMと、こっちも一歩間違えばただの器用貧乏集団になるところだった Sugar Ray。圧倒的な演奏力と実に多様な音楽性を内包していながら、それぞれ異なる結末に至った彼らの運命を分けたものは何だったのかな。Sugar Ray の絶妙なすっとぼけ具合だけが強く印象に残るベスト盤なんだよね。

#唯一残念だったのは、シングルB面に収録されていた "Rivers" が入っていないこと! もちろんヒット曲じゃないのでしょうがないんだけど、ご存知 Weezer の Rivers Cuomo をネタに「どこから聴いても Weezer そのものでしょうにが!」とツッコミどころ満載の爆笑アレンジで大好きな曲なんだけどなー。

【アーティスト名ひとくちメモ】
「砂糖光線」なるバンド名はボクサーの Sugar Ray Leonard に由来しているらしい。でも、そもそも人誰よ?といいますと。

"シュガー"レイ・レナード("Sugar" Ray Leonard)は1956年生まれで、戦績は36勝3敗1分け(25KO)。強いですね。14歳からボクシングを始め、76年のオリンピックで金メダルを獲得して全米国民の心を掴んだそうです。何と言ってもウェルター級、ジュニアミドル級、ミドル級、スーパーミドル級、ライトヘビー級の5階級でタイトルを獲得したボクシング史上唯一の選手、ということで知られているようですね。実は彼の名の "Ray" も Ray Charles にちなんでいるとのことで、Sugar Ray のバンド名は遡ると Ray Charles に行き着くんですね〜。

さらにちなむと、このバンド名に変えた当時に実は40代のおっさんブルースシンガーに Sugar Ray という人がいたせいで権利関係で結構揉めたとかいう話はちょっと余談かな。
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