★WINTER WONDERLAND★
洋楽、映画、読書、国際分散投資、そして心穏やかなシンプルライフ。 (新規の記事追加は http://ww.blog2.fc2.com/ で行っています)
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Joe Lynn Turner インストアイベント@新宿タワーレコード
2005年03月17日 (木) * 編集
ザ・ユージュアル・サスペクツ相変わらずインストアイベントがあると聞けばすぐにお店に出向いてしまう winter です。というわけで今夜は仕事帰りに元Rainbowのヴォーカリスト、Joe Lynn Turner を観てきました。新作 "THE USUAL SUSPECTS" を発表した彼、プロモーション来日してせっせと営業活動中なのです。

それにしても、こんなにお客さんが集まるとは思わなかった。木曜夜7時30分の新宿タワーレコードに異様なロック集団。200人以上はいるでしょう? 多くは30代後半以降の男女で、特にステージ前にはその昔 Rainbow の追っかけだったと思しき女性たちが陣取っていたりなんかするところが微笑ましいのです。

拍手に迎えられて出てきたジョーリンは多少肉がついてはいますが、サングラスを外すと往年の面影も残っていますね。髪型とか声質とか、いい意味で変わらない部分の方が多い人だなあと思う。この日は Gold Brick というバンドの梶山 章というギタリストがサポートする形でアコースティック・ミニライヴをやってくれました。

Bent Out of Shape1曲目の "Power of Love" は新作のオープニングナンバーで、これは悪くはない曲なのですが、やっぱり僕らとしては Rainbow も聴きたいわけで。というわけで日本人リスナーを大切にする彼はもちろん歌ってくれます。名曲 "Street of Dreams" アコースティック・ヴァージョン。

本人もこれで一生食べていくネタだと分かっていますから、そこはもう思い入れたっぷりに、隅々まで知り尽くしたこの曲を歌い上げてくれるわけです。コーラスの高音部を若干フェイクしたアレンジでしたが全然OK、生の Joe Lynn による "Street of Dreams" が聴けて大満足なのでした。

その後 BURRN! の広瀬編集長が登場してインタビュータイム。今回は久々の快心作ということで、Joe の口も滑らかです。曰く、周りを子供や犬が走り回る自宅の小さなスタジオで制作してとてもリラックスできたこと、あまり考え過ぎずに自分らしいフィーリングを出そうと心がけたこと、すべてはファンのサポートのお陰であり、とても感謝していること。

その上で、秋ごろにはソロ来日公演ができればなあ…という希望も語っておりました。本人は非常に調子が良さそうですし、やる気も満々という感じです。このところはグレン・ヒューズとのプロジェクトで来日していた彼ですが、ひょっとすると単独来日がありうるかもしれませんね。

というわけで最後にもう1曲、新作を代表するバラードという "Really Loved"。予想通りの展開をする楽曲なんですけど、全然嫌味は感じない。この人やっぱりいい声してますし、歌も上手ですね。声に合った曲を歌うというごく当たり前のことがいかに大切か、ということを深く感じたミニライヴになりました。
Marcus Miller インストアイベント@タワーレコード新宿店
2005年03月06日 (日) * 編集
シルヴァー・レインさて実は昨日のインストアイベントは Tahiti80 だけじゃなかったんですね〜。同じくタワーレコード新宿店にて、15時より Marcus Miller のニューアルバム "SILVER RAIN" 発売記念イベントが控えていたのでありました。前作は2001年のリリースでしたから、かなり久しぶりですね。

それにしてもたった2時間後で客層がここまで Tahiti80 と違うと笑っちゃうしかない。周りを取り囲むのは男性ばかり、それも30代後半から40代にピークがありそうな連中ばかりなのですよ。さらに推定50%程度はベースギター所有。明らかにプレイヤーたちが神を崇める態度で集っているのでした。

イベントの司会はJ-WAVE等のDJでお馴染み、ルーシー・ケントさん。彼女の場慣れした軽妙なトークで会場を和ませてから、御大マーカス・ミラーの登場となります。白のトレーニングウェア風の衣装でリラックスして舞台に上がるマーカス。デスクの上にはマックの Power Book が。

今週はずっとブルーノート東京でライヴを繰り広げてきた彼ですが、合間はこうしてプロモーションや雑誌取材等もこなしているわけで、さすがにお仕事とはいえ疲れ気味という印象を受けました。それでも満員のベース野郎どもを前に元気を出してトークショーを展開します。主な発言内容は次の通り。

「最近はこのラップトップPCで録音するようになったんだ。これが言わばパーソナルスタジオだね。ツアー中ホテルに着いてまずすることはPCのセットアップだし、ショーの合間やツアーバスの中でアルバム作りができるようになったのはとても大きいよ」

「他のプレイヤーたちの家に持ち込んで演奏してもらい、それを録音して持ち帰るんだ。カット&ペーストもできるから、あるパートを2回やるべきか3回やるべきか?なんてことも簡単にイメージが作れる」

「コンピュータを使い始めたのは6年ほど前からなんだけど、マシーンのような音にはしたくないから、その点にはすごく気を使ってるよ」

「新作には Eric Clapton が参加してくれてね。実は何年か前にロンドンでのショーのあとバックステージに来てくれて、いつか一緒にやろうと意気投合したんだ。もう8〜9年前かな、2人で "Silver Rain" という曲を書いたんだけどそのまま忘れていてね。今回クローゼットから引っ張り出してきて、Eric に『あの曲を仕上げようぜ』と電話したらすぐに来てくれたんだ。というわけで新作のタイトル曲になった」

「Eric とはスタジオで車の話ばかりしてるよ。彼はフェラーリ好きで僕はポルシェが好きなんだ。どちらがいいか議論が白熱するのさ。そしたらこの間友人から電話があってね。『マーカス、エリックがポルシェを買ったらしいぞ』って。それから彼のスタジオに押しかけて小一時間ポルシェ話で仕事の邪魔をしてきたよ(笑)。どうしてフェラーリ好きの Eric がポルシェを買ったかって? ポルシェの方がいい車に決まってるじゃないか」

「スポーツはバスケットボールやフットボールが好きだね。最近はあまり自由な時間は取れなくなったんだけど、車に乗ったり、ジムに通ったりして気分転換もしているよ」

「ベースを何本持ってるかって? そうだね… 40本くらいかな。メインに使っているのは1本だけで、今ここに持ってきているこれだよ」(と指し示す)


というわけで、ここでミニライヴ演奏を行うことに。マーカスの紹介どおりに Power Book から出てきたサウンドは、新作収録の "Frankenstein"(Edgar Winter Group の全米1位ヒットですね)のベース抜きカラオケ。それも抜粋でなくフルヴァージョンの演奏です!

最初はリズムに合わせて淡々と弾いているだけかな、と思わせつつ、ところどころに得意のスラッピングを入れつつ盛り上げて、気がつくと終盤のソロパートが迫ってきます。そして伝家の宝刀、怒濤のチョッパーが炸裂する大迫力のソロ! モニターからぶっ飛んでくる高密度かつ重すぎる音の塊。目の前で弾いてるにもかかわらず目にも止まらぬ超高速タッピングというだけでイキそうなわけですが、見ると本人は全然涼しい顔で、ほとんど手癖だけで両手が動いている様子。恐るべし…

大喝采を受けたマーカスが最後に語ったところによれば、これから名古屋・大阪・福岡・パリ・ドイツなどの公演をこなすなど、世界中を回って…眠るそうです(笑)。それは冗談としても、旅をしてみんなに音楽を聴いてもらえれば、と思っているとのことでした。

この後、CD予約者の得点として、マーカスとツーショットでポラロイド写真を撮ってもらうという企画が行われたようです。いくらCDの売り上げを伸ばすためとはいえ、プロモーションもなかなか大変ですよね(笑)。
Tahiti80 インストアイベント@タワーレコード新宿店
2005年03月05日 (土) * 編集
フォスベリー何の予定もない土曜の午後。何をするかに迷ったら出かけるしかありません。行き先はもちろんインストアイベント。というわけで、新宿タワーレコードで行われた Tahiti80 のアコースティック・ミニライヴ&トーク会を見てきました。もちろん無料。

新作 "FOSBURY" が早くも大絶賛されている Tahiti ですが、今日はグザヴィエ・ボワイエ (vo) とシルヴァン・マルシャン (dr) の2人がタワレコに駆けつけてくれました。お客さんはざっと80人くらいかな。(タヒチ80だけに…) 若者中心に、男女比ほぼ半々のリスナー像が浮かび上がります。

霜降りグレーのTシャツに濃いグレーのジャケットを羽織ったグザヴィエと、白っぽい半袖ポロシャツ(寒くないの?)のシルヴァンが現れると大きな拍手。「コンニチハ」「ゲンキ?」「ワタシタチハ、タヒチハチジュウデス」と気さくに日本語で話しかけるグザヴィエ、何だか日本慣れしてますね。

アコースティック・ライヴのセットリストは次の通り。

1. Big Day (新作 "FOSBURY" のオープニングナンバー)
2. Soul Deep (2nd "WALLPAPER FOR THE SOUL" 収録曲)
3. Something About You Girl (新作収録曲)
4. Changes (新作収録、シングル曲)
5. Heartbeat (デビュー作 "PUZZLE" 収録曲)

それにしても、グザヴィエのファルセットを多用したウィスパリング・ヴォイスの素敵なことといったら。囁くような儚げな透明感のあるヴォーカル。いかにもフレンチらしいお洒落で爽やかなポップス全開なのです。ドラマー君もトライアングルやパーカッションやバックコーラスで地道に盛り上げます。

ただ、インストアイベントって、お客さんのノリがイマイチなことが多いんですよね。グザヴィエが「新作買ってくれたかい?」って尋ねてもみんな無言…。見かねたシルヴァンが「…買わずに万引きしたんだね?」とジョークを飛ばして場を収めたのですが、もうちょっと盛り上がってあげてもいいのになあ。

最新ヒットの "Changes" あたりには結構歓声も上がりました。ラジオでよくかかってますけど。これまでの Tahiti のイメージからするとちょっとファンキーなノリもあって、カッコいいですよね。ラストはもはや定番と化しつつある "Heartbeat"。

"♪Can you feel my heartbeat when I'm close to you?"

という青春ど真ん中系の爽やかポップですが、いつ聴いてもいい曲だと思います。

***

さてライヴの後は質問コーナー。司会の女性が、あらかじめ用意された質問をてきぱきとぶつけていきます。

Q「"FOSBURY" はオリコン初登場24位の大ヒットになっています。どんなお気持ちですか?」

A「スゴイ(←日本語で)。買ってくれてどうもありがとう」

Q「このアルバムのお奨めポイントは?」

A「とにかく楽しい録音だったよ。制作プロセスが前作までとはかなり違っていて、どちらかというと "Heartbeat" や "Soul Deep" のようなリズム要素を前に出してみたんだ。アップビートなパーティ・アルバムになったと思うよ」

Q「フランスでパーティしたりする時もこのアルバムをかけるのかしら」

A「日本でのプロモーションが終わったらフランスに帰るんだけど、各メンバーがクラブでDJをやる予定なんだ。マーヴィン・ゲイやケミカル・ブラザーズの曲なんかをかけると思うけど、合間に自分たちの曲をかけて反応を見てみるよ」

Q「この後大阪に行くわけですが、あちらではDJをやる予定もあるようですね」

A「Really?(笑) 冗談冗談。そうみたいだね」

Q「アルバムで一番気に入っている曲とその理由を教えてください」

A「そうだね、あえて挙げるなら "Changes" かな。ちょっとラディカルな曲だし、そもそもメンバーとジャムセッションしている中で骨格ができて、即興で詞をつけながらアクシデント的にできちゃったんだ。その後のアルバム制作のトリガーになった曲なんだよ」

Q「この後の日本滞在中にしてみたいことは何?」

A「バカっぽく聞こえるかもしれないけれど、買い物は楽しみにしているよ。特にCDショップは充実していて、日本でしか見つからないものもたくさんあるからね。日本に来ると忙しくて、ハードワークになっちゃうけど楽しんでいるよ。日本人はフランス人と気質が似ていると思う。パーティ好きで、食事もお酒も楽しむし、いい人が多いし」

Q「また帰ってきてくれるみたいですね」

A「6月に来日公演をしに戻ってくるよ。前回の来日とは構成も全然変わっていて、リズム主体になると思う。実はベルリンで一足先にその構成で公演を行ったばかりなんだけど、すごく反応が良かったんだ」

…とのこと。この後はオリジナルグッズが当たる抽選会が行われていました。

お昼の12時過ぎにスタートして、終わってみたら1時過ぎ。でも生で Tahiti80 の歌が聴けてトークも楽しめて、これで無料なんだからインストアイベント通いはやめられません。ライヴのステージで見るアーティストもいいけれど、どうもよそ行きの顔なんですよね。そこへ行くとこういうファン向けイベントでは彼らもリラックスしていて、素に近い雰囲気が感じられるところも気に入っているのです。
Anekdoten @ 東京キネマ倶楽部 (26 Feb 2005)
2005年02月26日 (土) * 編集
一体、あれは現実だったのだろうか…

観終わった今でも、身体と精神がどこか別のところを浮遊しているような気がします。もし一言に要約せよというのなら、空手バカ一代ならぬ「メロトロン馬鹿3台」。時に冷たい氷のように、時に力強い温かさを持って噴き出すそのサウンドの洪水に、どこまでも溺れる3時間なのでした。

そう、3時間!

開場16時、開演17時と確かにチケットには印字してあります。しかし当然ながら終演20時とはどこにも書いていなかった。途中20分ほどの休憩を挟んだ2部構成だったとはいえ、2時間半以上も演奏してくれれば不満などあるわけもなく。想像していたよりはるかにバンドとしての一体感を感じさせてくれる「巧い」ライヴだったのが印象的でした。

自分は『暗鬱』がニフティサーブのFROCKL「プログレ隔離室」で話題になった時にリアルタイムで飛びついたクチですが、正直に言えばその後は「これならクリムゾンを聴いてた方がいいや」なんて思って距離を置いてしまったのです。

グラヴィティー(紙ジャケット仕様)しかし昨夜演奏されたその後のアルバム『フロム・ウィズイン』や最新作の『グラヴィティ』からのナンバーの堂々とした演奏を聴くにつけ、「これは本物だ」と確信しました。何を今さらと思うかもしれませんが、デビュー以来不動の4人のメンバーたちが、全く揺らぐことなく自分たちの音楽に自信を持って一音一音を出していることがはっきりと見て取れたのです。

会場の東京キネマ倶楽部(@鶯谷。初めて行った)には少し遅れて到着したのですが、それが幸いして2階席の、メロトロンの真上の席に座ることができました。ステージ左斜め上から見下ろす形になり、メンバー達が目で合図して音を合わせる様子や、ギタリストが頻繁にフットペダルを踏んでエフェクターを操作する様子が興味深かった。

そしてメロトロン。Anekdoten における紅一点、Anna Sofi がスツールに腰掛け、白く細い指を鍵盤に押さえつけるとともに湧き上がる「あの」生音。Anna Sofi がかなりローライズのパンツに丈の短い上着を着ていたので、真上から見る自分には彼女の腰回りの肌露出がかなり目にまぶしかったです(笑)。

彼女はもともとチェロ奏者ですが、チェロの出番はアンコールまで含めても2回だけで、ちょっともったいなかったかな。チェロを構えると姿勢の良さがはっきりしますね。話題の「トリプル・メロトロン」に至っては第二部の冒頭、わずか5分ほどの出来事でしたが、ギタリストとドラマーが加わって3台のメロトロンの音が会場を支配した瞬間は、まさに至福の時だったといってもいいでしょう。

名曲 "Sad Rain" は別格として、それ以外の曲は起伏が少ないという声もあるでしょう。歌メロが弱くて印象に残らないという批判も甘んじて受けます。それでも自分と同世代のバンドが、これだけメロトロンにこだわって独自の音世界を紡ぎだそうとしている事実は受け入れたい。

もちろんギターもベースも的確だし、2人で分け合うリードヴォーカルも個性の違いが出ていて悪くないです。印象的だったのはドラマーで、外見は Pantera の Vinnie Paul みたいなのですが、8分の6拍子を叩かせたら天下一品の切れ味というか、身体の中に埋め込まれた6/8メトロノームが突如暴走するというか。シンバル使いが本当に巧みで、久々にこれだけ美しく叩き分けられるシンバルを聴いたなあという感じ。

Anna Sofi の赤毛に染めたサラサラのストレートヘアと、休憩時間及び終演後にステージに駆け寄ってメロトロンを携帯電話のカメラでパチパチ撮りまくる黒山の人だかりのギャップ。そんな不思議な光景が、アンコールで演奏された『Sad Rain』と『カレリア』にオーバーラップするライヴだったのでした。

Negative@インストアイベント
2005年01月27日 (木) * 編集
ウォー・オブ・ラヴ昨日仕事帰りにタワーレコード新宿店に立ち寄ったら、Negative がアコースティックライヴ&握手会をやってました。名前だけはチラチラ見ていたけれど、まさか本物に会えるとは思わなかったのでちょっとびっくり。

フィンランド出身のメロディアスなロックバンドみたいですね。2004年にアルバム『ウォー・オブ・ラヴ』で日本デビューとのことですが、会場は若い女の子を中心にぎっしり埋まっていたので、結構人気があるようです。握手攻めにあいながら淡々とプロモーションをこなしていました。あんまりにこやかな感じではなかったけれど、そういうバンドのイメージなのかな?

最近忙しくてなかなか出かけられないのですが、こうしたインストア・イベントは大好きです。もう少し時間があった頃はタワレコやHMVのサイトをチェックして、洋楽アーティストを中心に基本的に必ず観に行くようにしていたくらい。家でCDを聴くのとは全然違うし、一度でも生で観て同じ空間を経験すると、やっぱりすごく好きになる。

コンサートでもいいのでしょうけれど、チケット代はすごく高いし、こうしたイベントの方がアーティストも素の姿をさらけ出してるような気がして、身近に感じられるのです。ざっと調べたところ、今後は1/29(土)にタワレコ渋谷店とHMV渋谷店で Brian Wilson のサイン会があるようですね。同日、HMV新宿SOUTH店では Kelly Clarkson のトーク&サイン会もあるようです。行ってみようかな?
The Eagles @ 東京ドーム (31/Oct/2004)
2005年01月03日 (月) * 編集
The Very Best of the Eaglesまさかまた来日してくれるとは思わなかった。95年の来日時にはイギリス赴任中だったし、翌年帰国してみたら英国ツアーやってるし。最後の大物をすれ違いで見逃した、という思いが強くありました。だから今回やや唐突に『FAREWELL 1』と銘打った世界ツアーが始まった時には、「なんだかなー」という感じもあったわけです。

ですが、ライヴ好きにとっての鉄則は『観られるうちに観ておけ』。もちろんチケット買いましたよ。たとえ音が悪い印象しかない東京ドームであっても。たとえドン・フェルダーが脱退した不完全メンバー構成であっても。たとえどんなに集金ツアーであっても。

細かいことは後回しにして、見終わった直後の感想を箇条書きにしておきます。

★ 4人のハーモニーが信じられないくらい素晴らしい。イーグルスは何よりもまず、史上最強のコーラスグループでした。

★ 全体を取りまとめているのはグレン・フライだった。ドン・ヘンリーなしのイーグルスは(想像したくはないけど)あり得るかもしれないが、グレンなしはあり得ない。

★ 意外にも大健闘していたのがジョー・ウォルシュ。この人のロックはめちゃくちゃカッコいいということが判明、今すぐ音源集めたいくらい。

★ 東京ドームの割には音響が良かった。10年前と比べると機材もずっと進歩しているのでしょうね。

★ どう見てもこの人たちまだ解散しないと思う(笑)。再来日も期待できそう。



オープニングが "The Long Run" ってのは意外だったかもしれません。長いこと "Hotel California" で幕を開けるパターンでしたからね。しかしこれに深い意味があるのか、単にウォーミングアップに適した曲だからなのかは不明。ドンはドラムを叩かず、ハンドマイクを持ってステージ前方で歌ってます。

リラックスした雰囲気の中でグレンがMCを入れ、ドンがドラムセットに上って全米#1ヒットの "New Kid In Town" へ。大好きな曲なので何回聴いてもいいのですが、ヴァースのBメロでグレンとドンがハモり、コーラスで4人の声が厚く重なってくるともうメロメロになってしまいます。すげー、上手すぎるよ。本人たちがやってるんだから当たり前なんだけど。

"HOTEL CALIFORNIA" から連続選曲された『時は流れて』ではグレンがピアノを弾き、ドンがじっくり歌います。これがもうまるで映画音楽を聴いているような、歌詞の情景がありありと目の前に浮かぶ名唱で。アナログのB面1曲目にある "Reprise" までつながる演奏になっていたのも非常に好印象なのでした。

グレンのヴォーカルに全員のコーラスが絡む "Peaceful Easy Feeling" を挟んで、一際大きな歓声が上がったのがティモシー・B・シュミットの歌う『言い出せなくて』。周りが全員短髪になってしまった中で唯一70年代風のロングヘアを保っている彼ですが、保っているのは髪だけじゃなくて声もそうなのでした。この人のハイトーンの美しさは、こりゃ一体何なんだ。衰えない喉って本当にあるんですね。

『呪われた夜』ではドンがドラムを叩きながら歌います。ティモシーのベースがうねるうねる。彼は他のメンバーのソロ曲も含め、この夜本当にいいベースをたくさん聴かせてくれました。ドンのソロ "Boys of Summer" は好きな曲なんだけど、なぜか全体のセットからは浮いているような気がしちゃいました。

そしていよいよ "In The City" でリードをとるのがジョー・ウォルシュ。ついさっきまでしかめっ面でギターソロをひょこひょこ弾いていたかと思ったのに、ひとたびマイクに向かうや「どこから出てんねん!」と突っ込みたくなるくらい良く伸びるヴォーカルを披露。リズム感が凄くいい人だと思う。ゆったりとした流れの中に独自のタイミングで切り込むスライドギターのセンスは天下一品です。

元気な『過ぎた事』でぐいぐいロックして第一部終了、休憩に入ります。



続く第二部は大きく分けると(1)アコースティック・セット、(2)ソロヒット集。

まずアコースティックですが、ここでの白眉は "Hole In The World" でしょう。2枚組の新ベスト盤の中でも正直どうでもいい新曲だったのですが、ライヴでやられました。ほとんどアカペラに近い4人のハーモニーの驚異的な重なり具合。彼らのコーラスはスタジオよりライヴテイクの方が圧倒的にすごい。9/11絡みの歌詞も初めてすっと胸に響いてきました。

また、オリジナルを歌ったランディ・マイズナーを欠きながらも敢えて "Take It To The Limit" をレパートリーに入れたのも、個人的には正解だと思いました。グレンの歌唱が味わい深かったというのもあるけれど、楽曲は作者を離れてバンドのものになっていることをしっかり示した選曲だったから。あと、歌う前のMCでグレンが「うちのカミさんがこの曲のことを『クレジットカード・ソング』って言うんだよね。じゃあいってみよう、"Take It To The Limit"!(限度額まで使え!)」としゃべってたのには笑いました。

ソロパートはですね、意外とグレン&ドンのヒット曲がイマイチで、むしろジョー・ウォルシュの独壇場になりました。実際、ジョーがリードをとると東京ドーム全体からすごい歓声が上がるんですよ。人気あるんですねえ。まあ、グレンやドンは単体でも来日が可能かもしれませんが、ジョーやティモシーはちょっと考えにくいですから、コアなファンにとっては彼らの方がありがたいのかもしれません。

泥臭くて荒削りなロケンローを、轟音ギターをかき鳴らしながらぶっ飛ばすジョー・ウォルシュに僕も惚れました。 "Walk Away" や "Life's Been Good" といった楽曲でドームを大いに熱くしてくれた訳ですが、ギターの音色が独特なんですよね。スライドが得意というのもあるのでしょうが、一音聴いただけで「うわ、ジョー・ウォルシュや」と思わせるシグネチャー音を持っている人は強いです。

ドンの "Dirty Laundry" もノリノリ。こんなにライヴ映えする曲とは思いませんでした。後半はギターソロ大会になり、ジョー・ウォルシュからグレン・フライ(いいソロでした)、さらにサポートギタリストのスチュアート・スミスへと回す展開でめちゃくちゃ盛り上がります。ジョーの "Funk #49" を駆け抜けて、満を持して登場するのが "Heartache Tonight"。

4人のコーラスが一糸乱れず決まりまくるイントロといい、バックバンドに含まれたブラス隊のサポートといい、いよいよ盛り上がってきます。とどめを刺したのが『駆け足の人生』。ヴォーカルはドンですが、これもギターでジョーが持って行っちゃう曲のひとつ。ブレイクのところ、何度もCDで聴いたあのフレーズが飛び出すと目は大スクリーンに釘付けですよ。



アンコールは当然 "Hotel California" から。まあ、ドン・フェルダーの不在についてしばし考える瞬間でもありました。ご存知の通りこれはほとんどフェルダーのソロ曲として出来上がっていたものを、バンド用に流用して大ヒットしたものです。その作者は諸般の事情により解雇され、彼の思いとは別のところでこうして世界中でライヴが行われている。先ほどの "Take It To The Limit" とはまったく逆の思いをこうして抱いてしまったりするのだからリスナーというのは勝手なものです。

実際はといえば、ドン・ヘンリーが歌うストーリィはリリースから30年近く過ぎた今も生々しく響き、"HELL FREEZES OVER" のようなアコースティックセットではないバンドヴァージョンで、ラストのツインギターもジョー・ウォルシュとスチュアート・スミスが完璧に演じきってしまうので何も心配なんか要らないのだけれど。

その後も "Rocky Mountain Way"、"All She Wants To Do Is Dance" とメンバーのソロ曲を挟み(後者ではグレンがお茶目なダンスを披露!)、いよいよオーラスの『ならず者』へ。ここは泣く場面なんだろうと思いましたが、不思議と自分は涙が出ませんでした。のみならず、この曲で終わる必然性はあったのかな?とか思ったりして。

もちろん素晴らしい曲です。僕も大好きです。しかしステージ中央でスポットライトを浴びて朗々と歌い上げるドン・ヘンリーはあくまでもイーグルスの1人でしかないはず。何というか、最後の最後にドンが美味しいところ持って行っちゃおうとしたような、そんな印象を受けちゃったのですね。どちらかといえば全メンバーが均等に活躍できる、元気のいい楽曲で終わっても良かったんじゃないのかなと。

でもそんな事考えるひねくれリスナーなんて少数なのでしょう。実際、この曲の持つメッセージは、例えば歯止めを失って漂流し続けるブッシュ政権に対する警鐘として捉えることも可能なわけで、そういう意味では優れてタイムリーな楽曲ということも出来るわけです。ならず者アメリカよ、戦争に血眼になるのはもうよせと。手遅れになる前に、誰かに愛してもらいなと。


Desperado, why don't you come to your senses?
Come down from your fences, open the gate
It may be rainin', but there's a rainbow above you.
You better let somebody love you,
Let somebody love you.
You better let somebody love you,
before it's too late.



このコンサートの後猛烈な憩いでドル安が進んでいきました。そのヒントはここにあったのに、うっかり聴き過ごしちゃったよ〜、残念!(そうじゃなくて)



【セットリスト】
1.The Long Run
2.New Kid in Town
3.Wasted Time
4.Peaceful Easy Feeling
5.I Can't Tell You Why
6.One Of These Nights
7.Lyin' Eyes
8.Boys Of Summer (Don Henley)
9.In The City
10.Already Gone

(休憩)

11.Tequila Sunrise
12.Love Will Keep Us Alive
13.Hole In The World
14.Take It To The Limit
15.You Belong To The City (Glenn Frey)
16.Walk Away (Joe Walsh)
17.Sunset Grill (Don Henley)
18.Life's Been Good (Joe Walsh)
19.Dirty Laundry (Don Henley)
20.Funk #49 (Joe Walsh)
21.Heartache Tonight
22.Life In The First Lane

-Encore 1-
23.Hotel California

-Encore 2-
24.Rocky Mountain Way (Joe Walsh)
25.All She Wants To Do Is Dance (Don Henley)

-Encore 3-
26.Take It Easy
27.Desperado
Journey @ 東京国際フォーラム (17/Oct/2004)
2005年01月03日 (月) * 編集
ジャーニー: ライヴ 2001直前まで観る予定はなかったのですが、ある方のご厚意により急遽東京公演2日目を観ることになりました。非常に完成度の高いライヴでした! ただ、東京初日はもっと凄かったという話を聞くと少しだけ残念ですが…

やっぱり Journey といえばスティーヴ・ペリーという世代なので、元 Tyketto のスティーヴ・オウジェリーを迎えてからの彼らにはほとんど興味がなかったのです。「ペリーにクリソツ」なのがかえって仇になっていたくらい。よく似た偽物による集金ツアーなんだろうな、くらいに思っていたのでした。

でも、これまたライヴを観て評価一変してしまいました。彼らを Journey と呼ぶべきかどうか、なんていう神学論争はどうでもいいんじゃないかと。この5人は実に素晴らしいロックバンドだし、今現在 Journey の曲を世界最高の形で演奏してくれるメンバーなんじゃないかと。

オウジェリー個人の歌唱力という点では、確かに上手いもののペリーのようなアクの強さがない分ちょっと物足りなく感じるかもしれません。しかしそれを補って余りある残り4人のヴォーカル。全員がリードを取る場面があるだけでなく、何とドラムスのディーン・カストロノヴォがオウジェリーもびっくりのハイトーンを聴かせてくれます。

ただ歌える人というのなら分かります。でもディーンの場合、誰がどう見てもあり得ないくらい手数の多いドラム叩きまくってますから。腹にずっしり響く重さと、それでいて切れ味鋭く畳み掛けるシャープさが共存するマジック。スタジオミュージシャンとして鍛えられた能力に加えて、誰も予想していなかった「歌唱力」が伴っているのです。

僕の観た日は "Escape" の高音パートくらいの出番に留まりましたが、前日は "Suzanne" と "Mother, Father" の全曲を歌うという凄まじい場面が見られたとのこと。この2曲及び "Edge of The Blade"、"Rubicon"、"Keep On Runnin'" が2日目は削られてしまったとのことで、見逃した者としては残念ですが、両方見た人によると「2日目のほうが集中して楽しめた」という意見もありますね。

ジョナサン・ケインも歌うまいですねー。キーボードに加えてリズムギターも弾き、さらに "Feeling The Same Way" や "Just The Same Way" でリードヴォーカルを披露しますが、さすがに Babys や Bad English などを渡り歩いてきたツワモノだけのことはあります。ロス・ヴァロリーは意外にも "Walks Like A Lady" で渋い喉を聴かせました。ベースもぶいぶい唸らせて、ちゃっかり見せ場にしちゃってたあたりさすがです。

結論としては、Journey の看板に恥じない良いコンサートだったと思いました。観に来たお客さんのほぼ全員がニコニコしながら帰途につくライヴっていいですよね。メンバー全員が、お互い譲るべきところと出るべきところをよくわきまえた、いい意味で大人のロックを見せてもらったという感じです。



【セットリスト】
1.Be Good To Yourself
2.Only The Young
3.Guitar solo(Star Spangled Banner)
4.Stone In Love
5.Wheel In The Sky
6.Lights
7.Walks Like A Lady (vocal: Ross)
8.Feeling That Way (vocal: Jonathan)
9.Anytime
10.Chain Reaction
11.Voodoo Chile (vocal: Neal)
12.Keyboard Solo
13.Open Arms
14.Send Her My Love
15.Just The Same Way (vocal: Jonathan & Steve)
16.Escape
17.Faithfully
18.Don't Stop Believin'
19.Separate Ways
20.Any Way You Want It

-Encore-
21.Lovin' Touchin' Squeezin'
Scorpions @ 新宿厚生年金会館 (26/Sep/2004)
2005年01月03日 (月) * 編集
Scorpions もまた1984年に出会ったバンドでした。大ヒット作『禁断の刺青』に収録の "Rock You Like A Hurricane" が全米25位、泣きのバラード "Still Loving You" が全米64位とヒットを記録して、Merucury レーベル移籍2枚目にして完全に米国市場を征服してしまった頃です。

別に大ファンってわけじゃない。どちらかというとあまり興味のないバンドでした。でも新作 "UNBREAKABLE" の出来が期待以上に良かったので、来日公演が発表されると同時に思わずチケットぴあに並んでしまったのですね。生まれて初めての生スコピです。バンドの調子はいいんだろうなと思いつつも、正直言ってライヴではどれくらいがっかりするのかな、なんて心配が胸をよぎったのも事実。

…ライヴが終わって会場から出てきた僕はもう完全に打ちのめされてました。スゴイ。何なんだこの独逸オヤジたちは。信じられないほどエネルギッシュでパワフルで、とても50代半ばとは思えないオーラを発しまくっていたのです。ステージに立ってギターを構える、あるいはマイクを持つという行為自体が何かドラッグのような作用を及ぼしているのではないかと思うくらいに。

ヴォーカルのクラウス・マイネの声は深く高くどこまでも伸びきり、フライングVを抱えたルドルフ・シェンカーはビデオで何度も見てきたとおりの、腰を落としたポーズで前後に身体を揺らしながら鋭いリフを刻みまくります。右腕をぐるぐる回して弾いてみたかと思えば、ステージ上を駆け回り、ジャンプし、マイクに向かってバックコーラスを合わせ…。恐るべきパワー、恐るべき気迫。

熱心な観客が多く、ほとんどの曲が大合唱です。喫煙所やトイレでも新作の良さを称えるファン同士の会話が多く聞かれましたが、ライヴのオープニング2曲を含め合計6曲も演奏した新作 "UNBREAKABLE" の受けは確かに上々でした。懐メロだけのライヴなんて似合わない、まだまだ新曲をがんがん演ってやるぜ、という姿勢が素晴らしい。

もちろん懐メロもやりますよ。
ディープなミドル・シャッフルの "The Zoo" やバラード "Holiday"、そして会場大熱狂の "Bad Boys Running Wild"、"Blackout" といったロックナンバー。日本公演には欠かせない『荒城の月』(上手すぎ!)はもちろん、冒頭に挙げた2大ヒットも。個人的には "Wind of Change" にはあまり思い入れがないのですが、イントロの口笛をクラウス・マイネが生で吹いてくれたのにはちょっと感動しました。

他のメンバーについても少し。マティアス・ヤプスはほとんど動かずに定位置で淡々とギターソロを弾いています。渋いっすね。ベーシストは若くて元気。実は一番観たかったのはドラムスのジェームス・コタックなのでした。何を隠そう元 Kingdom Come 時代から滅茶苦茶好きなのです。95年にはロンドンで Warrant のドラマーとしてのライヴも観てるくらい。

これがまた実に派手な叩きっぷり。まったくもって無駄にスティックを回しまくる。右も左も交互に一拍ごとに回す勢いで。しかも彼、「歌うドラマー」なのですよ。はっきり言ってこの夜、クラウスの上で大音量でハモっていた声はほぼ全部ジェームスのものでした。あれだけド派手に叩きながら、なおかつ歌えるドラマーなんて知りません。(この1ヵ月後に Journey で Deen Castronovo を観るまでは…)

若い頃に比べればちょっとお腹も出てきたジェームス・コタックですが、やんちゃ坊主のようなキャラクターといい、どんなバンドにもすぐに馴染んで一員になってしまう人当たりの良さといい、もっともっと評価されてもいいのになーと思ってます。特にコーラス隊が薄いバンドにとっては強力な助っ人になるはず。…って早くも次の転職先を心配してあげてる自分(笑)。

「日本公演なんて適当に流しときゃいいんだよ」なんて気持ちでライヴしてる若手バンドとか観ちゃうとかなりがっかりする自分ですが、この夜ばかりは鳴り止まぬ拍手に迎えられて2度のアンコールをこなしたプロフェッショナル集団に心から感服しました。そう、「プロのお仕事」ってのはこうじゃなくちゃね。

僕はライヴを観ることによってそのアーティストのファンになることが多いです。家でCDを何度聴いてもピンと来なかった人たちと、たった2時間ほど同じ時間と空間を共有するだけで、こんなにも身近に感じられるようになり、以後の音楽人生がぐっと豊かになるのなら、ライヴ代なんて安いものかもしれません。

ついでに、この日は数年ぶりにかつて Nifty-Serve のFROCKLでお世話になっていた方(ご夫婦)に再会できたのでした。そのこともあって非常にいい思い出だけが残るライヴになりました。(お時間いただいてどうもありがとうございました!)



【セットリスト】
1.New Generation
2.Love 'Em Or Leave 'Em
3.Bad Boys Running Wild
4.The Zoo
5.We'll Burn The Sky
6.Deep And Dark
7.Coast To Coast
8.Holiday
9.荒城の月
10.Through My Eyes
11.Remember The Good Times
12.Tease Me Please Me
〜Drum Solo
13.Blackout
14.Blood Too Hot
〜Guitar Solo
15.Big City Nights

-Encore-
16.Still Loving You
17.Wind Of Change
18.Rock You Like A Hurricane

-2nd Encore-
19.When The Smoke Is Going Down
LeAnn Rimes @ Hammersmith Apollo (16/Sep/2004)
2005年01月03日 (月) * 編集
昨年観たライヴのうちでこれだけが1984年がらみじゃないですね。何てったって LeAnn Rimes は1982年8月28日生まれ。Duran Duran や Wham! が全米チャートを荒らしていたあの頃はまだ2歳くらいだったわけですから。日本ではまず見られない人だけに、英国・アイルランド旅行の日程中のロンドン公演を観ておくことにしました。

驚異のティーンエイジ・女性カントリー歌手としてデビューした彼女も22歳になり、ずいぶん大人になったなあ、というのが率直な感想。最初の頃はぽっちゃりした女の子だなと思っていたのに、今ではずいぶんと垢抜けちゃって、ほっそりしたセレブリティっぽさも身に付けています。ここ数年は英国を中心に欧州で大ヒットが続いているだけに、Hammersmith Apollo がいっぱいに埋まるライヴになりました。

Greatest Hits昨年リリースされた "GREATEST HITS" をそのまま再現するような選曲で、"One Way Ticket"、"How Do I Live"、"Blue"、"Can't Fight The Moonlight" など人気の歌をがんがん歌いまくります。特に "Blue" の節回しの上手さにはびっくり。どんな曲でも声が太くて安定していて、ブレがまったく感じられないタフな喉です。やっぱりこの人は本物ですね。

僕の周りのお客さんはホワイトのミドルクラスばかり、年齢層的には40代くらいにコアがありそうな、ひどくアダルトコンテンポラリー的な印象を受けました。最前列の方には若いファンが陣取っていたようです。「こんなに温かく迎えてくれてありがとう、ロンドンは大好きよ!」と叫ぶ LeAnn に会場が沸きます。

「ベスト盤を出したのだけれど、中でも特に印象に残っているのは素敵なデュエット曲が録音できたこと…。今日は彼に特別に来てもらったの。…Ronan Keating!」

これには驚きました。会場の女性ファンたちもほとんど絶叫しています。何と元 Boyzone の Ronan Keating がステージに登場して、"Last Thing On My Mind" をデュエット。お互い向かい合って目を見つめながら、すごく心のこもったハーモニーを聴かせてくれます。

Ronan はそれまで特にピンと来ていなかった人ですが、生で聴いてかなり印象が変わりました。この人歌がうまいです。しかもちょっとスモーキーなあの独特の声。アイルランドの国民的グループだった Boyzone の中でも圧倒的な存在感のあるヴォーカリストでしたが、まさか生で観られるとは思わなかった。1曲だけ歌って、大歓声の中手を振ってステージ袖に消えていきましたが、ロンドンならではの展開で、本当に大きな収穫でした。

さてライヴはアンコール。"Committment" を歌ったところまでは予想通りでしたが、ここからカヴァー大会へ。「小さい頃は家でロックばかり聴いてたの。例えばこんなのをね…」と語る LeAnn にバックバンドが爆音で応えます。何と Led Zeppelin のカヴァー "Rock'n'Roll"! 高音域まで伸びのあるヴォーカルを披露、ZEPの本場イギリスのお客さんも大喜びです。

続いて、本人が大好きなアーティストと語る Janis Joplin コーナーに突入。"Summertime" と "Me and Bobby McGee" はいずれも Janis 自身が憑依したかのような強烈な思い入れ炸裂の大ロングバージョンになり、思わずオーディエンスの方が引いちゃうくらいでした。あれだけ歌いまくっても喉は最後まで全然衰えを見せず。明日からまた別の街でフルスロットルのコンサートを続けるのでしょう。実にいいライヴでした。



ところで、LeAnn Rimes のステージの前に前座として登場した Mark Joseph という若手シンガーソングライターがいました。デビュー作 "SCREAM" を出したばかりの彼、「こんなに大勢の前で歌うのは初めてで緊張してます」と正直に断った上で、ギター1本で大オーディエンスの前でなかなか堂々たる弾き語りを聴かせてくれました。1曲1曲メロディがとても豊かで素晴らしく、強烈に印象に残っています。ライヴ終了後に会場外で配られていたプロモCDシングル "Lady Lady" は宝物になりそうです。
Cyndi Lauper @ 新宿厚生年金会館 (13/Jul/2004)
2005年01月03日 (月) * 編集
Live at Last昨年はなぜか1984年にヒットを飛ばしたアーティストのライヴに行く機会が多くありました。軽く「1984年」と書いてしまいまたが、これって20年も前なんですよね。浮き沈みの激しい音楽業界で20年間頑張ること自体が努力賞に値するんじゃないかと思います。初めてライヴを観ることができたこの Cyndi Lauper もその1人。だってもう、51歳ですよ。

会場に入ってまず感じたのは、お客さんの熱気。年齢層は高め(自分と同じか少し上くらいが多い)でしたが、ファン歴の長そうな人が多くて、「みんなでライヴを盛り上げよう」「シンディを応援しよう」という一体感のようなものが強く感じられました。日本での彼女の根強い人気にまずはびっくり。

楽しめるコンサートだったのは確かです。黒のドレスに素足の彼女がステージに登場した時の観客の大歓声といったら。オープニングは歌い上げる "At Last" で、意外にも歌唱力勝負で来たか?と思いましたが、続く "Shine" ではバリバリのロックになって元気全開です。早くも1階席に降りてきたシンディに観客は騒然。

3曲目のイントロでは、ベースが太くてゴリゴリしたリフを弾く中で、ステージ中央にしゃがんだシンディがプレートを金槌みたいなもので力強く叩き始めます。…"Change of Heart" だ! 最近のアルバムは追いかけていないので、僕にとってはここからがお馴染みの曲。『ザ・ベスト・オブ・シンディ・ローパー』と題されたツアーだったので、ヒット曲大会になるのかと思っていましたが、結果としては2003年の "AT LAST" からの曲もちゃんと盛り込まれた普通の構成でした。

激しく踊り、元気いっぱいにステージを駆け回り、レコードどおりの「あの声」で歌いまくってくれました。声もハイトーンまでよく伸びており、51歳という年齢はほとんど感じさせません。ほーんと一生懸命。だから日本のファンの心をがっちり掴んで離さないのでしょう。「私たちが応援しなくちゃ」って気にさせてしまう。

その他もほぼ期待通りの選曲で楽しませてくれました。"I Drove All Night" はイントロに合わせて「会場中で」すごい手拍子。人気が高い曲なんですね。アンコール前には "Money Changes Everything" を歌います。これは84年の暮れにシングルカットされたときに7インチのB面にライヴヴァージョンが収録されたくらい、ライヴで映える楽曲だなあと思っていたのでかなり嬉しい。

一方で、"All Through The Night" は一番好きで期待していた曲でしたが、イントロのキラキラ感があまり再現されてなくて少し残念だったかな。あと、"She Bop" を「フレンチ・ヴァージョン」の静かで優雅なワルツに変身させたのは正直イマイチでした。毎晩同じ曲を歌い、演奏する彼らにとっては飽きちゃうのかもしれませんが、個人的にはあまりいじり過ぎてオリジナルから乖離しちゃうのもどうかと思います。

アンコールは "La Vie En Rose" + "Time After Time" + "Girls Just Want To Have Fun"。そりゃ盛り上がるってもんです。"Girls" は基本的にユルめの "Hey Now" ヴァージョンでした。会場を左右に二分割してそれぞれ違うパートを同時に歌わせるという趣向で、まあ参加型イベントとしてアリかなとも思うけど、あまり延々とやらされるとさすがに飽きますね。お客さんの多くは楽しんでいたようでした。

さて、最後に少し厳しいことを書きますと、ショウの構成は全体としてこなれていませんでした。開演が定刻から25分遅れというのも、あまりプロらしいとは思いません。途中で演奏をやめて最初からやり直す曲もありました。1曲終わるごとに通訳者を連れてきて、長々と曲の説明に入る部分など、控えめに見ても冗長と言わざるを得ない展開もありました。(彼女のステージの魅力のひとつが気さくなMCだというのは分かってるんですけど…)

本人は「今夜がこのツアーの初日だから、勘弁してね」とさかんに弁解していましたが、それで済むというものでもないでしょう。でも、「スイマセーン」「チョットマッテクダサイ」等のわずかな日本語で乗り切ろうとするシンディにファンはむしろ大喜びで、最後まで文句ひとつ言わず和気藹々と楽しむファンたちを見ながら、寛大だなあとちょっと思っちゃいました。

ところで全然気づきませんでしたが、バックバンドでベース弾いてたのって William Whittman だったんですか??



【セットリスト】
1. At Last
2. Shine
3. Change Of Heart
4. Wide Open
5. Madonna Whore
6. She Bop
7. I Drove All Night
8. Sisters Of Avalon
9. True Colors
10. All Through The Night
11. It's Hard To Be Me
12. Money Changes Everything

-Encore-
13. La Vie En Rose
14. Time After Time
15. Girls Just Want To Have Fun
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