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『The Departed』
2006年12月10日 (日) * 編集
The Departedジャック・ニコルソンが凄い。ここ数年のシマらないコメディやドラマでの空回りが嘘みたいに、この『ザ・ディパーテッド』では本気でオスカーを獲りにきたようだ。

もちろん、ニコルソンの鬼気迫る凄みには100万光年及ばないけれど。主役の警官2人、マット・デイモンとディカプリオも想像以上にいい演技をしている。『インファナル・アフェア』のハリウッドリメイクということだが、オリジナル未見ながら相当に楽しめた。

善と悪。善のように見えて実は邪悪なる存在と、悪のように見えて実はそうでない存在とが、互いの組織にスパイとして送り込まれるという設定は、簡単に白黒つけられない「現実」の重みを何度も描こうとしてきたマーティン・スコセッシ監督らしいテーマだ。だが実は背後で糸を引くアイリッシュマフィアの大物役、ジャック・ニコルソンの存在感が全てといっていい。

近年『ザ・ホワイトハウス』シリーズで米国大統領役を好演したマーティン・シーンや、八面六臂の活躍を続けるマーク・ウォルバーグなど、脇役にも事欠かないキャストの中で、唯一残念なのはマットとレオが奪い合うことになる女性キャラの弱さ。これはもう圧倒的に弱くて、どうして2人が彼女に夢中になるのか説明に苦しむくらいなのだが、「男たちのドラマ」と割りきって観るしかないだろう。

上映時間はこれでも2時間半程度あるが、最終段階で相当編集したと思わせるやや不自然なシークエンスがある。恐らくスコセッシの意図するドラマは3時間を超えるものだったのだろうし、ニコルソンの登場場面は切りようがなかったはずだから、結果としてラストへの展開が駆け足になってしまったのもやむなしかもしれない。非常に丹念に積み上げられた力強い作品だけに、DVD発売時にディレクターズ・カットが収録されるようであれば是非観てみたい。

ちなみにジャック・ニコルソンは最近のインタビューで、デート相手の女性についてこう答えている。

「歳の頃なら去年は確か、21歳から61歳まで手広く制覇したね」


本人69歳、どうやらまだまだやる気満々のようだ。
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